3級FP過去問解説(個人資産)2018年9月【問9】総所得金額

【第3問】 次の設例に基づいて、下記の各問(《問7》~《問9》)に答えなさい。


 Aさんは、飲食店を営む個人事業主で、開業後直ちに青色申告承認申請書と青色事業専従者給与に関する届出書を所轄税務署長に対して提出している青色申告者である。Aさんは、過去に会社員をしていた期間があり、平成30年6月から特別支給の老齢厚生年金を受給している。
 Aさんとその家族に関する資料等は、以下のとおりである。なお、金額の前の「▲」は赤字であることを表している。
<Aさんとその家族に関する資料>
Aさん (62歳) : 個人事業主(青色申告者)
妻Bさん (60歳) : Aさんが営む飲食店の事業に専ら従事し、青色事業専従者
給与(平成30年分:84万円)の支払を受けている。
<Aさんの平成30年分の収入等に関する資料>
(1) 事業所得の金額 : 350万円(青色申告特別控除後)
(2) 特別支給の老齢厚生年金の年金額 : 30万円
(3) 不動産所得 : ▲100万円(土地等の取得に係る負債の利子10万円を含む)

  • 妻Bさんは、Aさんと同居し、生計を一にしている。
  • Aさんおよび妻Bさんは、いずれも障害者および特別障害者には該当しない。
  • Aさんおよび妻Bさんの年齢は、いずれも平成30年12月31日現在のものである。
  • 上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問9

Aさんの平成30年分の所得税における総所得金額は、次のうちどれか。

  1. 250万円
  2. 260万円
  3. 380万円


[正解]  (適切)
[配点]   (点)

[解説]

Aさんの収入は、事業所得、雑所得(老齢厚生年金)、不動産所得で、いずれも総合課税である。
(2) 雑所得の公的年金等控除額は、65歳未満について、130万円未満の年金額なら70万円であるため、0(ゼロ)となる。
(3) 不動産所得の損失は、土地等の取得に係る負債の利子10万円を含めないため、90万円となる。
・総所得金額は、350万円-90万円=260万円となる。

[要点のまとめ]

<総所得金額の計算>
1.総所得金額の計算のポイント
総所得金額の計算は学科でもよく出題される。総所得金額であるため、大前提として総合課税と分離課税の区別をしておかなければならない。各所得の計算方法と総合所得金額に算入する際の決まりについて理解しておく必要がある。
2.よく出る所得
(1) 不動産所得、給与所得、一時所得、事業所得、雑所得、譲渡所得(分離課税として)
(2) 遺族給付などそもそも非課税の収入がある。
3.損益通算する
(1) 総所得金額に算入する際には損益通算の知識が必要である(下記参照)。
(2) 一時所得の損失は損益通算できないため、総合課税でも算入しない場合がある。
(3) 分離課税は除外し、損益通算したあと総所得金額に算入する。
3、総所得金額への合算
(1) 一時所得は1/2する。
(2) 給与収入や年金収入は控除額を求めてから算入。

<損益通算>
1.損益通算できる所得の損失
不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得の頭文字をとって、「不事山譲」。あくまでも、損益通算できる所得の損失なので、相手方は給与所得や一時所得でも構わない(勘違いしやすい)。
2.不事山譲の例外
(1) 不動産所得の損失における例外
土地の取得のために要した借入金の利子等は損益通算できない
(2) 譲渡所得の損失における例外
株式の譲渡や不動産の譲渡、生活する上で必要のない資産の譲渡による損失は損益通算できない
※例外の例外として、株式の譲渡における損失は損益通算できないが、特例により配当所得との損益通算が可能である。

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