3級FP合格へ向けて
3級FPの勉強手段は、大きく通信講座・通学講座と書籍(独学)の二つに分けられます。通信講座の内容を見ると、3級FP講座を無料にして2級FP講座を主力としている学校が多いことから、最低でも2級FP合格を目指している人は3級と2級がセットになった通信講座で合格を目指したほうが効果的かもしれません。一方、とりあえず3級FPのみと考えている人は2級セットの講座は少し不向きです。このページではどのような講座が向いているかの参考になるよう、各社の講座を紹介しています。
通信講座・通学講座の特徴
通信講座・通学講座でも、TACやLECなどさまざまな媒体(通学・DVD・WEBなど)から選べる学校、ECCやフォーサイトのように通信講座を主力とする学校などがあり、後者のほうが費用は割安となる傾向にあります。書籍だけでは継続学習が心配な人は講義によるインプット学習があると計画が立てやすいメリットがあります。勘違いして覚えてしまうリスクも軽減されます。ただし、コスト面を重視したい人には向きません。デメリットは明確なので、ここでは通信講座・通学講座のメリットをまとめておきます。
受講料が高いか安いかは人によりますが、ほかの資格講座と比べると安く、書籍代にプラスαで講義を受けられることを考えると、検討してみる価値はあると思います。またTACやLECなどの大手は受講料は高めですが、自習室が使えるメリットがあります。通信講座も暗記や問題演習をする場所が必要なので、勉強する環境はとても重要です。カフェを利用するにしてもドリンク代がかかり、長時間の利用は難しく、勉強場所を考えるとそこまで高いとは感じないかもしれません。合格することが目的ですので、講座費用だけで選ぶのではなく、ご自身の環境に合わせた手段を選ぶと良いでしょう。
通信講座・通学講座の選び方
さまざまな通信講座を見ていると、学習サポート機能など細かいところを気になってしまいますが、合格するためには継続して学習できるかどうかがカギとなります。いくら機能が充実していたとしても、やる気がなくなればログインすらしなくなります。そのため自分に合った講座を選ぶためには、優先順位を考えて選択肢を絞っていく必要があるでしょう。最優先したい項目は次のとおりです。
選び方 最優先項目
○学習環境や講座費用について
通信講座は従来の通学講座と比べれば価格は安いですが、続けなければ意味がありません。自宅でweb講座を流しながらスマホをいじっていれば学習効果は下がります。誘惑の多い環境で集中できないのであれば、継続できず、割安な通信講座でも無駄になります。個人的な経験からモチベーションの維持が最も大変です。睡眠時間が減らす、早起きするなど、これまでの生活環境を変える必要がありますので、2級FP以上まで考えている人は特に学習環境を整えることを優先しましょう。また講座費用ですが、人それぞれ予算があります。予算内で学習方法を考えることが前提ですが、学習を継続できる環境にない人は自習室やレンタルスペース、図書館などの利用を考え、それにかかる費用も想定しておかなければなりません。
○学習方法について
次に最低でも2級FPまでと考えている人は、3級FPから自分なりの学習方法を確立しておくと良いでしょう。通信講座には復習機能など便利なツールがありますが、正直、ツールの有無で合否を分けるとは考えられません。逆にサポートに頼りすぎて、ツールに依存した方法で学習を進めてしまい、十分な得点力が身につかない可能性もあります。
選び方 優先項目
○対応実技について
次に重視したい点は、対応実技です。ほとんどの学校では日本FP協会の資産設計に対応していますが、きんざいの個人資産への対応は弱めです。個人資産を受検する予定の人は講座内容を確認する必要があります。ただ「資産設計に対応」としていたとしても、実技の過去問をすべて解説しているわけではありません。最低でも受験する実技の過去問解説テキストがあると良いですが、市販教材でも対応できますし、実技ごとに傾向はありますが講義やテキストで十分合格を目指すことはできます。また教育訓練やAFP認定の対象かどうかも確認が必要です。
○学習媒体について
webかDVDかの学習媒体の確認だけでなく、紙のテキストの有無は確認しておきましょう。テキストをダウロード・印刷するのは手間がかかります。最優先事項として「講座費用」を挙げていますので、予算的に難しい場合は仕方ありませんが、最低でもテキストや問題集は冊子になっていないと使いにくいでしょう。
○質問について
質問が全くできないと不安だと思いますが、回数制限はあまり気にする必要はないと考えています。講義とテキストがわかりやすく、質問する前にネットで調べることもできます。どうしてもわからない点だけ質問するようにすれば、調べる過程で知識が付きますし、質問をする機会も減ります。学習スタイルとして多くの質問をしたい人は回数について確認しておきましょう。
選び方 その他
○講義時間について
講義時間と講義費用をもとにコスパを比較してもあまり意味はありません。「講義時間が長ければ良い」というものではないためです。極端に短くない限り、あまり気にする必要はないでしょう。
○講師について
どのような講師が担当しているか気になるかもしれませんが、講師の質はいくら項目を挙げて比較してみても受講生との相性・得意分野の有無もあり、受講してみなければわかりません。担当する講師が変わる可能性もあります。最低限わかりやすく解説する講師であれば十分でしょう。気になる人は、サンプル動画で体験したり、講師の経歴を確認したりして比較する方法もあります。
○支援ツールについて
以前間違えた問題を抽出できる過去問の復習機能など便利なツールはありますが、本試験では紙による試験ですので、問題集を利用して間違えた問題をチェックしておき、解きなおした方が良いこともあります。
○総合的に考えて
講師やテキストの質は受講してみなければわかりませんが、3級FPのみの受講であれば、その良し悪しを見て、2級FPの講座を選ぶことができます。このような意味もあり、3級FPを無料または格安で提供している学校が多くあります。