3級FP過去問解説(個人資産)2019年1月【問15】相続税の総額

【第5問】 次の設例に基づいて、下記の各問(《問13》~《問15》)に答えなさい。


 非上場企業であるX株式会社(以下、「X社」という)の社長であったAさんは、平成30年12月17日に病気により死亡した。X社は、死亡退職金5,000万円を妻Bさんに支給した。後任の社長には、長女Cさんの夫でX社の専務取締役であるDさんが就任した。Aさんは、平成14年10月にDさんを普通養子としている。
 Aさんの親族関係図等は、以下のとおりである。

<Aさんの主な相続財産(相続税評価額)>
預金等の金融資産 ··· 7,000万円
自宅(敷地400㎡) ··· 2,000万円
(「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用後の相続税評価額)
自宅(建物)·········· 1,000万円
X社株式 ··············1億5,000万円
死亡退職金 ··········· 5,000万円
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問15

Aさんの相続に係る課税遺産総額(「課税価格の合計額-遺産に係る基礎控除額」)が2億4,000万円であった場合の相続税の総額は、次のうちどれか。

  1. 5,300万円
  2. 6,200万円
  3. 8,100万円


[正解]  (適切)
[配点]   (点)

[解説]

・相続税の総額は、各相続人が法定相続分の財産を受け取ったとして各相続人の相続税を算出し合計する。
・法定相続分と相続額
 妻Bさん(1/2):2億4,000万円×1/2=1億2,000万円
 長女Cさん(1/4):2億4,000万円×1/4=6,000万円
 配偶者Dさん(1/4):2億4,000万円×1/4=6,000万円
・相続税
 妻Bさん:1億2,000万円×40%-1,700万円=3,100万円
 長女Cさん:6,000万円×30%-700万円=1,100万円
 配偶者Dさん:6,000万円×30%-700万円=1,100万円
・相続税の総額
 3,100万円+1,100万円+1,100万円=5,300万円

[要点のまとめ]

<相続税の計算手順>
相続税額の計算は、最初から最後まで計算させる場合もあるが、基本的には計算過程の一部が出題される。常にどの部分の計算を問われているか確認すると理解が深まるだろう。
(1) 遺産総額から非課税財産や葬儀費用を控除して各相続人の課税価格を求める。
※生命保険の非課税枠はここで適用させる。
(2) 課税価格の合計額から遺産に係る基礎控除を引いて、課税遺産総額を求める。
※「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で控除額を求めるため、法定相続人を考える必要がある。
(2) 各相続人の法定相続分を求める。
(3) 各相続人が法定相続分で相続したとして各相続人の課税価格を求める。
(4) 各相続人の課税価格から相続税を算出し、合計し相続税の総額を出す。
(5) 各相続人の相続割合に応じた相続税額を算出する。
(6) 各相続人の相続税額から加算や控除があれば加味し、各人の納付額を求める。

3級FP過去問解説(個人資産)2019年1月【問14】相続の手続き

【第5問】 次の設例に基づいて、下記の各問(《問13》~《問15》)に答えなさい。


 非上場企業であるX株式会社(以下、「X社」という)の社長であったAさんは、平成30年12月17日に病気により死亡した。X社は、死亡退職金5,000万円を妻Bさんに支給した。後任の社長には、長女Cさんの夫でX社の専務取締役であるDさんが就任した。Aさんは、平成14年10月にDさんを普通養子としている。
 Aさんの親族関係図等は、以下のとおりである。

<Aさんの主な相続財産(相続税評価額)>
預金等の金融資産 ··· 7,000万円
自宅(敷地400㎡) ··· 2,000万円
(「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用後の相続税評価額)
自宅(建物)·········· 1,000万円
X社株式 ··············1億5,000万円
死亡退職金 ··········· 5,000万円
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問14

Aさんの相続に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 「Aさんが平成30年分の所得税について確定申告書を提出しなければならない者に該当する場合、相続人は、原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から3カ月以内に準確定申告書を提出しなければなりません」
  2. 「相続人がAさんの自筆証書遺言を発見した場合、相続人は、遅滞なく、その遺言書を所轄税務署長に提出して、その検認を請求しなければなりません」
  3. 「相続税の申告書は、原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内に被相続人であるAさんの死亡時の住所地を所轄する税務署長に提出しなければなりません」


[正解]  (適切)
[配点]   (点)

[解説]

  1. 「Aさんが平成30年分の所得税について確定申告書を提出しなければならない者に該当する場合、相続人は、原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から3カ月以に準確定申告書を提出しなければなりません」
  2. [解説]
    準確定申告は相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内である。

  3. 「相続人がAさんの自筆証書遺言を発見した場合、相続人は、遅滞なく、その遺言書を所轄税務署長に提出して、その検認を請求しなければなりません」
  4. [解説]
    検認は遺言書(公正証書による遺言を除く)の保管者又はこれを発見した相続人は,遺言者の死亡を知った後,遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出して,その「検認」を請求しなければならない。

  5. 「相続税の申告書は、原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内に被相続人であるAさんの死亡時の住所地を所轄する税務署長に提出しなければなりません」
  6. [解説]
    相続税の申告は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内である。

[要点のまとめ]

<相続税の手続き>
(1) 相続放棄・限定承認
 相続の開始があったことを知った日の翌日から3カ月以内
(2) 準確定申告(被相続人の所得税の確定申告)
 相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内
(3) 相続税の申告
 相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内

3級FP過去問解説(個人資産)2019年1月【問13】相続

【第5問】 次の設例に基づいて、下記の各問(《問13》~《問15》)に答えなさい。


 非上場企業であるX株式会社(以下、「X社」という)の社長であったAさんは、平成30年12月17日に病気により死亡した。X社は、死亡退職金5,000万円を妻Bさんに支給した。後任の社長には、長女Cさんの夫でX社の専務取締役であるDさんが就任した。Aさんは、平成14年10月にDさんを普通養子としている。
 Aさんの親族関係図等は、以下のとおりである。

<Aさんの主な相続財産(相続税評価額)>
預金等の金融資産 ··· 7,000万円
自宅(敷地400㎡) ··· 2,000万円
(「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用後の相続税評価額)
自宅(建物)·········· 1,000万円
X社株式 ··············1億5,000万円
死亡退職金 ··········· 5,000万円
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問13

 Aさんの相続に関する以下の文章の空欄①~③に入る数値の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

ⅰ)Aさんの相続税における遺産に係る基礎控除額は( ① )万円である。
ⅱ)妻Bさんが受け取った死亡退職金5,000万円のうち、相続税の課税価格に算入される金額は( ② )万円である。
ⅲ)妻Bさんが自宅の敷地を相続により取得し、特定居住用宅地等として小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けた場合、その敷地は330㎡までの部分について( ③ )%の減額が受けられる。

  1. ① 4,200 ② 3,500 ③ 50
  2. ① 4,800 ② 1,500 ③ 50
  3. ① 4,800 ② 3,500 ③ 80


[正解]  (適切)
[配点]   (点)

[解説]

ⅰ)Aさんの相続税における遺産に係る基礎控除額は( ① 4,800 )万円である。
ⅱ)妻Bさんが受け取った死亡退職金5,000万円のうち、相続税の課税価格に算入される金額は( ② 3,500 )万円である。
ⅲ)妻Bさんが自宅の敷地を相続により取得し、特定居住用宅地等として小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けた場合、その敷地は330㎡までの部分について( ③ 80 )%の減額が受けられる。

① 法定相続人は妻Bさんと長女Cさん、普通養子である配偶者Dさんの3人なので、「3,000万円+600万円×3=4,800万円」となる。
② 死亡退職金の非課税枠は、「500万円×3=1,500万円」となり、相続税の課税価格に算入される金額は「5,000万円-1,500万円=3,500万円」となる。
③ 特定居住用宅地等の場合、減額割合は80%で、限度面積は330㎡である。

[要点のまとめ]

<相続税の計算手順>
相続税額の計算は、最初から最後まで計算させる場合もあるが、基本的には計算過程の一部が出題される。常にどの部分の計算を問われているか確認すると理解が深まるだろう。
(1) 遺産総額から非課税財産や葬儀費用を控除して各相続人の課税価格を求める。
※生命保険の非課税枠はここで適用させる。
(2) 課税価格の合計額から遺産に係る基礎控除を引いて、課税遺産総額を求める。
※「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で控除額を求めるため、法定相続人を考える必要がある。
(2) 各相続人の法定相続分を求める。
(3) 各相続人が法定相続分で相続したとして各相続人の課税価格を求める。
(4) 各相続人の課税価格から相続税を算出し、合計し相続税の総額を出す。
(5) 各相続人の相続割合に応じた相続税額を算出する。
(6) 各相続人の相続税額から加算や控除があれば加味し、各人の納付額を求める。

<小規模宅地等の評価減特例>
(1) 小規模宅地等の評価減特例の概要
小規模宅地等の評価減の特例には、居住用、事業用、貸付用がある。駐車場は、構築物があれば適用できるが、青空駐車場は適用外となる。
また特定居住用宅地等は適用要件が複雑だが、次の点だけはおさえておこう。
・配偶者には取得者ごとの要件はない。
・被相続人と同居していた親族なら、引き続き居住していること
・被相続人と同居していない親族なら、いわゆる「家なき子」(所有する家屋がない子)であること
被相続人と同居していない親族の取得者ごとの要件はほかにもあるが、まずは上記の内容をおさえておこう。
(2) 減額割合と限度面積
居住用80%、330㎡
事業用80% 400㎡
貸付用50% 200㎡

3級FP過去問解説(個人資産)2019年1月【問12】不動産登記

【第4問】 次の設例に基づいて、下記の各問(《問10》~《問12》)に答えなさい。


 会社員のAさん(55歳)は、現在、会社の借上げ社宅(マンション)に妻と2人で暮らしているが、定年退職後の生活を見据えて、妻の趣味であるガーデニングを楽しむための戸建て住宅を購入したいと考えている。具体的には、現在の住まいから徒歩圏内にある甲土地および建物の購入を検討している。甲土地および建物の概要は、以下のとおりである。

・指定建蔽率および指定容積率とは、それぞれ都市計画において定められた数値である。
・特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域ではない。
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問12

不動産登記簿の見方およびその調査に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 「甲土地の購入の検討にあたっては、登記簿で権利関係を確認してください。所有権に関する登記事項は、権利部(甲区)で確認することができます」
  2. 「全部事項証明書(登記簿謄本)は、誰でも交付を受けることができます。交付にあたっては、土地の地番、建物の家屋番号を確認のうえ、申請してください」
  3. 「甲土地の全部事項証明書(登記簿謄本)を取得するためには、甲土地が所在する市区町村役場にその交付の申請をする必要があります。各自治体のホームページからオンライン請求することも可能です」


[正解]  (不適切)
[配点]   (点)

[解説]

  1. 「甲土地の購入の検討にあたっては、登記簿で権利関係を確認してください。所有権に関する登記事項は、権利部(甲区)で確認することができます」
  2. [解説]
    登記簿は、表題部、権利部(甲区)、権利部(乙区)があり、所有権に関する登記事項は権利部(甲区)に記載されている。

  3. 「全部事項証明書(登記簿謄本)は、誰でも交付を受けることができます。交付にあたっては、土地の地番、建物の家屋番号を確認のうえ、申請してください」
  4. [解説]
    全部事項証明書(登記簿謄本)は、誰でも交付申請ができる。よく誤りの選択肢で「利害関係者のみ」とあるため注意すること。また申請する際には、土地の地番や建物の家屋番号を確認しなければならない。実際の住所地と登記簿上の地番が異なるため、実際の住所地で申請しても希望する土地の情報は得られない可能性がある。

  5. 「甲土地の全部事項証明書(登記簿謄本)を取得するためには、甲土地が所在する市区町村役場にその交付の申請をする必要があります。各自治体のホームページからオンライン請求することも可能です」
  6. [解説]
    全部事項証明書の交付申請は、登記・供託オンライン申請システムで行う。自治体のホームページから申請することはできない。少々細かい内容なので、肢1、2が適切であると判断できれば正解できるだろう。

[要点のまとめ]

<遺言の種類>

自筆証書遺言 公正証書遺言 秘密証書遺言
作成方法 遺言者が遺言とともに、日付、氏名を自署し押印する。ワープロや代筆は不可。 遺言者が口述し、公証人が筆記する。 遺言者が遺言書に署名押印し、封印する。ワープロや代筆も有効
証人 不要 2人以上 2人以上
検認 必要 不要 必要

※証人になれない人
① 未成年者
② 推定相続人や受遺者
③ ①②の配偶者や直系血族

<不動産登記>
1.不動産登記
・表題部
 不動産の所在地、面積、構造などを記録し、建物を新築したときに登記(表題登記)する。
 表題登記は、1ヶ月以内に行わなければならない。
・権利部(甲区)
 所有権の保存や移転、差押えや仮処分など
・権利部(乙区)
 所有権以外の権利で、抵当権や賃借権など
2.登記簿上の面積
 面積には、壁の中心を結ぶ壁芯面積と壁の内側を結ぶ内法面積があり、登記簿では内法面積で表示される。
3.仮登記
 仮登記は、将来の本登記のために、登記の順位を保全するために行う。
4.登記簿の閲覧
 登記所に手数料を払えば、誰でも登記簿を閲覧することができる。

3級FP過去問解説(個人資産)2019年1月【問11】不動産の価格

【第4問】 次の設例に基づいて、下記の各問(《問10》~《問12》)に答えなさい。


 会社員のAさん(55歳)は、現在、会社の借上げ社宅(マンション)に妻と2人で暮らしているが、定年退職後の生活を見据えて、妻の趣味であるガーデニングを楽しむための戸建て住宅を購入したいと考えている。具体的には、現在の住まいから徒歩圏内にある甲土地および建物の購入を検討している。甲土地および建物の概要は、以下のとおりである。

・指定建蔽率および指定容積率とは、それぞれ都市計画において定められた数値である。
・特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域ではない。
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問11

不動産の価格に関する以下の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

ⅰ)土地の価格には、「実勢価格(取引価格)」「公示価格」「基準地標準価格」「相続税路線価」「固定資産税評価額」の5つがあるといわれ、このうち相続税路線価は( ① )の8割程度に設定されている。( ① )は、毎年1月1日を基準日として、国土交通省の土地鑑定委員会が判定し、3月に公表されるものである。
ⅱ)《設例》の図では相続税路線価が表示されているが、この道路に示された「200D」とは、1㎡当たりの価額が( ② )万円、借地権割合が( ③ )%であることを示している。

  1. ① 実勢価格(取引価格) ② 20 ③ 50
  2. ① 公示価格 ② 20 ③ 60
  3. ① 公示価格 ② 200 ③ 70


[正解]  (適切)
[配点]   (点)

[解説]

ⅰ)土地の価格には、「実勢価格(取引価格)」「公示価格」「基準地標準価格」「相続税路線価」「固定資産税評価額」の5つがあるといわれ、このうち相続税路線価は( ① 公示価格 )の8割程度に設定されている。( ① 公示価格 )は、毎年1月1日を基準日として、国土交通省の土地鑑定委員会が判定し、3月に公表されるものである。
ⅱ)《設例》の図では相続税路線価が表示されているが、この道路に示された「200D」とは、1㎡当たりの価額が( ② 20 )万円、借地権割合が( ③ 60 )%であることを示している。
① 相続税路線価は、相続税評価額ともいい、毎年1月1日を基準日として、国土交通省の土地鑑定委員会が判定し、3月に公表される。評価基準は、公示価格の8割程度である。
②③ 相続税評価額(路線価)は、道路上に「300C」のように示されている。単位は千円/㎡で、「C」は借地権割合を示す。借地権割合は、A:90%~G:30%の7段階ある。「300C」の道路に面する土地は、1㎡あたり300千円で、借地権割合は60%である。

[要点のまとめ]

 基準値標準価格は公示価格の補足で調査される。基準点は公示価格と重複するところもあるが、公示価格の対象となっていない地点も対象となる。いずれにしても同じ目的で公表されるため、評価割合100%など共通点が多く、覚えやすいだろう。基準日と公表日はともに公示価格の6か月後であることに気づけば覚えやすい。
 頻出度が高く間違えやすいのは、相続税評価額と固定資産税評価額の公表日と評価割合である。

<土地の評価価格>

公示価格 基準値標準価格 相続税評価額
(路線価)
固定資産税評価額
発表機関 国土交通省 都道府県 国税庁 市町村
基準日 毎年1月1日 毎年7月1日 毎年1月1日 1月1日
公表日 3月下旬 9月下旬 7月1日 3月(4月)
評価割合 100% 100% 80% 70%
利用目的 一般取引の指標 公示価格の補足 相続税・贈与税の基準 固定資産税・不動産取得税の基準

 相続税評価額(路線価)は、道路上に「300C」のように示されている。単位は千円/㎡で、「C」は借地権割合を示す。借地権割合は、A:90%~G:30%の7段階ある。Aの90%だけ覚えておけばあとは導き出せる。「300C」の道路に面する土地は、1㎡あたり300千円で、借地権割合は60%である。なお、これまでの傾向では、きんざいでは借地権割合を覚えておかなければならない問題が出題される。

3級FP過去問解説(個人資産)2019年1月【問10】建築面積と延べ面積

【第4問】 次の設例に基づいて、下記の各問(《問10》~《問12》)に答えなさい。


 会社員のAさん(55歳)は、現在、会社の借上げ社宅(マンション)に妻と2人で暮らしているが、定年退職後の生活を見据えて、妻の趣味であるガーデニングを楽しむための戸建て住宅を購入したいと考えている。具体的には、現在の住まいから徒歩圏内にある甲土地および建物の購入を検討している。甲土地および建物の概要は、以下のとおりである。

・指定建蔽率および指定容積率とは、それぞれ都市計画において定められた数値である。
・特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域ではない。
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問10

甲土地の①建蔽率の上限となる建築面積と②容積率の上限となる延べ面積の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

  1. ① 108㎡ ② 216㎡
  2. ① 108㎡ ② 360㎡
  3. ① 144㎡ ② 432㎡


[正解]  (適切)
[配点]   (点)

[解説]

建ぺい率と容積率は頻出問題なので、よく理解しておこう。2つの違いを意識して覚えてくといいだろう。
① 指定建ぺい率は60%で、防火規制がなく、角地でもないため、指定建ぺい率60%をそのまま使用する。
 180㎡×60%=108㎡
② 容積率には前面道路の幅員による制限がある。
・前面道路幅員✕乗数と指定容積率を比較する。
 小さい数値が容積率となる。
 6✕4/10=24/10 240% > 200% よって、200%
 180㎡✕200%=360㎡

[要点のまとめ]

1.建ぺい率
(1) 建築面積の最高限度を求めるときに使う。
(2) 建ぺい率には緩和措置がある。
・防火地域内の耐火建築物 +10%
・特定行政庁が指定する角地 +10%
・建ぺい率80%の防火地域内で耐火建築物 100%
(3) 2地域にまたがる場合は加重平均
2.容積率
(1) 延べ面積の最高限度を求めるときに使う。
(2) 容積率には前面道路の幅員による制限がある。
・前面道路幅員✕乗数と指定容積率を比較する。
 乗数は4/10か6/10
 小さい数値が容積率となる。
(3) 2地域にまたがる場合は加重平均
3.補足
建ぺい率と容積率は用途地域ごとに決まっており、それぞれ指定建ぺい率、指定容積率という。

3級FP過去問解説(個人資産)2019年1月【問9】確定申告

【第3問】 次の設例に基づいて、下記の各問(《問7》~《問9》)に答えなさい。


 会社員のAさんは、妻Bさん、長男Cさんおよび長女Dさんの4人家族である。Aさんは、平成30年中に「ふるさと納税」の制度を利用して、10の地方自治体に計12万円の寄附を行っている。また、Aさんは、平成30年中に妻Bさんの入院・手術費用として医療費30万円を支払ったため、医療費控除の適用を受ける予定である。
 なお、Aさんとその家族に関する資料等は、以下のとおりである。
<Aさんとその家族に関する資料>
 Aさん (50歳)  : 会社員
 妻Bさん (50歳) : 専業主婦。平成30年中の収入はない。
 長男Cさん(20歳) : アルバイト。平成30年中の給与収入は150万円である。
 長女Dさん(17歳) : 高校生。平成30年中の収入はない。
<Aさんの平成30年分の収入等に関する資料>
 (1) 給与収入の金額 : 930万円
 (2) 不動産所得の金額 : 120万円

  • 妻Bさん、長男Cさんおよび長女Dさんは、Aさんと同居し、生計を一にしている。
  • Aさんとその家族は、いずれも障害者および特別障害者には該当しない。
  • Aさんとその家族の年齢は、いずれも平成30年12月31日現在のものである。
  • 上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問9

Aさんの平成30年分の所得税の確定申告に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 「Aさんは、ふるさと納税ワンストップ特例制度を利用することで、寄附金控除については確定申告をする必要がなくなります」
  2. 「Aさんは、確定申告書に医療費控除の明細書を添付することにより、医療費控除の適用を受けることができます」
  3. 「確定申告書は、原則として、平成31年2月16日から3月15日までの間にAさんの住所地を所轄する税務署長に提出してください」


[正解]  (適切)
[配点]   (点)

[解説]

  1. 「Aさんは、ふるさと納税ワンストップ特例制度を利用することで、寄附金控除については確定申告をする必要がなくなります」
  2. [解説]
    《設例》に「平成30年中に「ふるさと納税」の制度を利用して、10の地方自治体に計12万円の寄附を行っている」とある。ワンストップ特例制度は、5自治体までなので、確定申告が必要となる。

  3. 「Aさんは、確定申告書に医療費控除の明細書を添付することにより、医療費控除の適用を受けることができます」
  4. [解説]
    医療費控除の適用を受けるためには、確定申告が必要である。
    なお、《設例》に「平成30年中に妻Bさんの入院・手術費用として医療費30万円を支払った」とあり、10万円を超えているので、金額面でも医療費控除が適用できる。

  5. 「確定申告書は、原則として、平成31年2月16日から3月15日までの間にAさんの住所地を所轄する税務署長に提出してください」
  6. [解説]
    所得税の確定申告の期間は、翌年の2月16日から3月15日までの間である。

[要点のまとめ]

<確定申告>
1.確定申告の期限
所得税の確定申告の期間は、翌年の2月16日から3月15日までの間である。
2.給与所得者で確定申告が必要な人
(1) 年収が2,000万円を超える
(2) 給与所得、退職所得以外の所得金額が20万円超
(3) 2ヵ所以上から給与を受け取っている
3.給与所得者でも確定申告をしないと適用を受けられないもの
(1) 住宅ローン控除(初年度)
(2) 雑損控除、医療費控除、寄附金控除(※)
(3) 配当控除
※ワンストップ特例制度:寄付先が5自治体以内の場合、確定申告が不要となる制度。

3級FP過去問解説(個人資産)2019年1月【問8】所得控除

【第3問】 次の設例に基づいて、下記の各問(《問7》~《問9》)に答えなさい。


 会社員のAさんは、妻Bさん、長男Cさんおよび長女Dさんの4人家族である。Aさんは、平成30年中に「ふるさと納税」の制度を利用して、10の地方自治体に計12万円の寄附を行っている。また、Aさんは、平成30年中に妻Bさんの入院・手術費用として医療費30万円を支払ったため、医療費控除の適用を受ける予定である。
 なお、Aさんとその家族に関する資料等は、以下のとおりである。
<Aさんとその家族に関する資料>
 Aさん (50歳)  : 会社員
 妻Bさん (50歳) : 専業主婦。平成30年中の収入はない。
 長男Cさん(20歳) : アルバイト。平成30年中の給与収入は150万円である。
 長女Dさん(17歳) : 高校生。平成30年中の収入はない。
<Aさんの平成30年分の収入等に関する資料>
 (1) 給与収入の金額 : 930万円
 (2) 不動産所得の金額 : 120万円

  • 妻Bさん、長男Cさんおよび長女Dさんは、Aさんと同居し、生計を一にしている。
  • Aさんとその家族は、いずれも障害者および特別障害者には該当しない。
  • Aさんとその家族の年齢は、いずれも平成30年12月31日現在のものである。
  • 上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問8

Aさんの平成30年分の所得税における所得控除に関する以下の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

ⅰ)( ① )、医療費控除および寄附金控除の3種類の所得控除については、年末調整では適用を受けることができないため、これらの控除の適用を受けるためには所得税の確定申告が必要となる。
ⅱ)Aさんが適用を受けることができる配偶者控除の控除額は、( ② )である。
ⅲ)Aさんが適用を受けることができる扶養控除の控除額は、( ③ )である。

  1. ① 雑損控除 ② 38万円 ③ 38万円
  2. ① 住宅借入金等特別控除 ② 26万円 ③ 63万円
  3. ① 小規模企業共済等掛金控除 ② 26万円 ③ 101万円



[正解]  (適切)
[配点]   (点)

[解説]

ⅰ)( ① 雑損控除 )、医療費控除および寄附金控除の3種類の所得控除については、年末調整では適用を受けることができないため、これらの控除の適用を受けるためには所得税の確定申告が必要となる。
ⅱ)Aさんが適用を受けることができる配偶者控除の控除額は、( ② 38万円 )である。
ⅲ)Aさんが適用を受けることができる扶養控除の控除額は、( ③ 38万円 )である。

① 住宅借入金等特別控除は、税額控除である。
② 配偶者控除は、配偶者の所得だけでなく、納税者本人の所得によっても金額が異なる。妻Bさんは専業主婦であるため控除対象配偶者であり、夫Aさんは、《問題7》より、所得金額が837万円で900万円以下なので、配偶者控除の金額は38万円となる。
③ 長男Cさんは、20歳なので特別扶養控除の対象年齢だが、給与収入が150万円あり、「150万円-65万円=85万円」の合計所得金額となるため、控除の対象にはならない。
長女Dさんは、16歳以上なので、一般の扶養控除の対象となる。よって、扶養控除は38万円となる。

[要点のまとめ]

<配偶者控除と配偶者特別控除>
1.配偶者控除
配偶者の合計所得金額が38万円以下で、納税者の合計所得金額に応じて配偶者控除額が決まる。納税者本人の合計所得金額は1,000万円以下でなければならない。配偶者控除と配偶者特別控除の金額については表が与えられる。
(1) 配偶者控除38万円、26万円、13万円
(2) 老人控除対象配偶者48万円、32万円、16万円
2.配偶者特別控除
配偶者控除が適用できない、配偶者の合計所得金額38万円超123万円未満であれば配偶者特別控除の対象となる。
配偶者控除と配偶者特別控除は、青色事業専従者青色事業専従者や事業専従者に該当すると適用できない
3.扶養控除
(1) 一般扶養控除(16歳以上) 38万円
(2) 特定扶養親族(19歳以上23歳未満) 63万円
(3) 老人扶養親族(70歳以上) 同居58万円、他48万円

3級FP過去問解説(個人資産)2019年1月【問7】総所得金額の計算

【第3問】 次の設例に基づいて、下記の各問(《問7》~《問9》)に答えなさい。


 会社員のAさんは、妻Bさん、長男Cさんおよび長女Dさんの4人家族である。Aさんは、平成30年中に「ふるさと納税」の制度を利用して、10の地方自治体に計12万円の寄附を行っている。また、Aさんは、平成30年中に妻Bさんの入院・手術費用として医療費30万円を支払ったため、医療費控除の適用を受ける予定である。
 なお、Aさんとその家族に関する資料等は、以下のとおりである。
<Aさんとその家族に関する資料>
 Aさん (50歳)  : 会社員
 妻Bさん (50歳) : 専業主婦。平成30年中の収入はない。
 長男Cさん(20歳) : アルバイト。平成30年中の給与収入は150万円である。
 長女Dさん(17歳) : 高校生。平成30年中の収入はない。
<Aさんの平成30年分の収入等に関する資料>
 (1) 給与収入の金額 : 930万円
 (2) 不動産所得の金額 : 120万円

  • 妻Bさん、長男Cさんおよび長女Dさんは、Aさんと同居し、生計を一にしている。
  • Aさんとその家族は、いずれも障害者および特別障害者には該当しない。
  • Aさんとその家族の年齢は、いずれも平成30年12月31日現在のものである。
  • 上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問7

Aさんの平成30年分の所得税における総所得金額は、次のうちどれか。

  1. 717万円
  2. 837万円
  3. 1,050万円


[正解]  (適切)
[配点]   (点)

[解説]

1.Aさんの所得は、給与収入(給与所得)と不動産所得で、いずれも総合課税である。まず、給与所得を求めなけばならない。給与所得は給与所得控除額を求め、給与収入から差し引き給与所得を求める。
・給与所得控除額:930万円×10%+120万円=213万円
・給与所得:930万円-213万円=717万円
2.給与所得と不動産所得を合算して、総所得金額を求める。
・総所得金額
 717万円+120万円=837万円

[要点のまとめ]

<総所得金額の計算>
1.総所得金額の計算のポイント
総所得金額の計算は学科でもよく出題される。総所得金額であるため、大前提として総合課税と分離課税の区別をしておかなければならない。各所得の計算方法と総合所得金額に算入する際の決まりについて理解しておく必要がある。
2.よく出る所得
(1) 不動産所得、給与所得、一時所得、事業所得、雑所得、譲渡所得(分離課税として)
(2) 遺族給付などそもそも非課税の収入がある。
3.損益通算する
(1) 総所得金額に算入する際には損益通算の知識が必要である(下記参照)。
(2) 一時所得の損失は損益通算できないため、総合課税でも算入しない場合がある。
(3) 分離課税は除外し、損益通算したあと総所得金額に算入する。
3、総所得金額への合算
(1) 一時所得は1/2する。
(2) 給与収入や年金収入は控除額を求めてから算入

<損益通算>
1.損益通算できる所得の損失
不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得の頭文字をとって、「不事山譲」。あくまでも、損益通算できる所得の損失なので、相手方は給与所得や一時所得でも構わない(勘違いしやすい)。
2.不事山譲の例外
(1) 不動産所得の損失における例外
土地の取得のために要した借入金の利子等は損益通算できない
(2) 譲渡所得の損失における例外
株式の譲渡や不動産の譲渡、生活する上で必要のない資産の譲渡による損失は損益通算できない
※例外の例外として、株式の譲渡における損失は損益通算できないが、特例により配当所得との損益通算が可能である。

3級FP過去問解説(個人資産)2019年1月【問6】上場不動産投資信託(J-REIT)

【第2問】 次の設例に基づいて、下記の各問(《問4》~《問6》)に答えなさい。


会社員のAさん(30歳)は、将来に向けた資産形成のため、株式や投資信託によって積極的に運用したいと考えている。Aさんは、これまで預貯金以外の金融商品を利用した経験がなく、ニュース番組等で見聞きする日経平均株価などの株価指数やPERなどの投資指標について理解しておきたいと思っている。
 Aさんは、X社株式(東京証券取引所市場第一部上場)を購入したいと考えているが、友人が保有している上場不動産投資信託(J-REIT)にも興味を持っている。そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。X社に関する資料は、以下のとおりである。
<X社に関する資料>

総資産 2,000億円
自己資本
(純資産)
600億円
当期純利益 45億円
年間配当金総額 18億円
発行済株式数 6,000万株
株価 1,200円
決算期 2月末

※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問6

最後に、Mさんは、上場不動産投資信託(J-REIT)についてアドバイスした。MさんのAさんに対するアドバイスとして、次のうち最も適切なものはどれか。

  1. 「上場不動産投資信託(J-REIT)は、複数の不動産会社の株式を主たる投資対象とする投資信託です。不動産会社の株式を直接購入するよりも、リスクを分散することができます」
  2. 「上場不動産投資信託(J-REIT)は、上場株式と同様に証券取引所を通じて取引することができます。実物不動産への投資に比べて、流動性(換金性)が高い、少額から投資ができる等の特徴があります」
  3. 「上場不動産投資信託(J-REIT)の分配金は、不動産所得として課税の対象となります。当該金額が年間20万円を超える場合は、所得税の確定申告をする必要があります」


[正解]  (適切)
[配点]   (点)

[解説]

  1. 「上場不動産投資信託(J-REIT)は、複数の不動産会社の株式を主たる投資対象とする投資信託です。不動産会社の株式を直接購入するよりも、リスクを分散することができます」
  2. [解説]
    上場不動産投資信託は、不動産投資会社に投資し、不動産投資会社はその資金をもとに、不動産を購入する。不動産会社の株式に投資するわけではない

  3. 「上場不動産投資信託(J-REIT)は、上場株式と同様に証券取引所を通じて取引することができます。実物不動産への投資に比べて、流動性(換金性)が高い、少額から投資ができる等の特徴があります」
  4. [解説]
    不動産を売却しようと思っても買い手が現れなければ売却できず、金額も株式等と比べて買い手が見つかれにくいが、株式と同じように取引できる上場された商品であれば換金性は高まる

  5. 「上場不動産投資信託(J-REIT)の分配金は、不動産所得として課税の対象となります。当該金額が年間20万円を超える場合は、所得税の確定申告をする必要があります」
  6. [解説]
    上場不動産投資信託(J-REIT)の分配金は、株式と同様、配当所得として20.315%の源泉徴収となる。上場不動産投資信託(J-REIT)は、配当控除ができない点を除いて、株式取引と同じ扱いである。

[要点のまとめ]

<上場不動産投資信託(J-REIT)>
J-REITは、多くの投資家から集めた資金で、マンションやオフィスビル、商業施設など複数の不動産などを購入し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する商品である。一般的な投資信託とは異なり、証券取引所に上場している。一個人が複数の不動産を持ち、リスク分散するには多額の資金が必要となるが、J-REITは少額で不動産への分散投資ができることが利点となる。加えて、不動産投資は換金性が低いが、J-REITであれば換金性が高い(不動産を売却しようと思っても買い手が現れなければ売却できず、金額も株式等と比べて買い手が見つかれにくいが、株式と同じように取引できる上場された商品であれば換金性は高まる)。