3級FP過去問解説(学科) 2021年1月 (35) 公的年金の給付

(35)

厚生年金保険の被保険者期間が原則として( ① )以上ある者が、老齢厚生年金の受給権を取得した当時、当該受給権者と生計維持関係にある( ② )未満の配偶者が所定の要件を満たしている場合、当該受給権者が受給する老齢厚生年金に加給年金額が加算される。

  1. ① 10年 ② 60歳
  2. ① 20年 ② 65歳
  3. ① 25年 ② 70歳


[正解] 2

[解説]

加給年金は、厚生年金の被保険者期間20年以上ある人と生計維持関係にある、
(1) 65歳未満の配偶者または
(2) 18歳到達年度の末日までの子(もしくは20歳未満で障害等級1級または2級の未婚の子)
がいる場合に、当該受給権者が受給する老齢厚生年金に加給年金額が加算される。


[要点のまとめ]
公的年金の給付

老齢給付

1. 老齢厚生年金の給付
(1) 老齢厚生年金の概要
・60歳から64歳までの特別支給の老齢厚生年金と65歳以上の老齢厚生年金がある。
・特別支給の老齢厚生年金には、定額部分と報酬比例部分がある。
・受給資格
 老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていること
 65歳未満:厚生年金の加入期間1年以上
 65歳以上:厚生年金の加入期間1ヶ月以上

(2) 特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢の引き上げ
・支給開始年齢65歳以上:男性は昭和36年(1961年)4月2日生まれ以降の人、女性は昭和41年(1966年)4月2日生まれ以降の人
・定額部分のみ65歳以上:男性は昭和24年4月2日(~昭和28年4月1日)生まれ以降の人、女性は昭和29年4月2日(~昭和33年4月1日)生まれ以降の人

2. 老齢厚生年金の繰上げ・繰下げ支給
(1) 老齢基礎年金との関連
・老齢厚生年金の繰上げは老齢基礎年金の繰上げと同時に行わなければならない。
・老齢厚生年金の繰下げは老齢基礎年金の繰下げと別々に行うことができる。
(2) 受給額の影響
・繰上げ受給は、「月数 × 0.5%」(最大30%)減額される。
・繰下げ受給は、「月数 × 0.7%」(最大42%)増額される。

3. 加給年金
加給年金は、家族手当のような役割で、一定の要件を満たすと老齢厚生年金(または定額部分)に付加される。

加給年金は、厚生年金の被保険者期間20年以上ある人と生計維持関係にある、
 ・65歳未満の配偶者 または
 ・18歳到達年度の末日までの子(もしくは20歳未満で障害等級1級または2級の未婚の子)
がある場合に支給される。

4. 振替加算
加給年金は、配偶者が65歳になると支給停止されることから、配偶者が65歳から受け取る老齢基礎年金に振替加算として加算される。加算額は配偶者の生年月日による。

5. 在職老齢年金
70歳未満で会社に就職し厚生年金保険に加入した場合や、70歳以上で厚生年金保険の適用事業所に勤めた場合には、老齢厚生年金の額と給与や賞与の額(総報酬月額相当額)に応じて、年金の一部または全額が支給停止となる。
(1) 60歳台前半(60歳から65歳未満)の在職老齢年金
※計算式
・基本月額と総報酬月額相当額の合計額が28万円以下の場合
 全額支給
・総報酬月額相当額が47万円以下で基本月額が28万円以下の場合
 基本月額 – (総報酬月額相当額 + 基本月額 – 28万円) ÷ 2
・総報酬月額相当額が47万円以下で基本月額が28万円超の場合
 基本月額 – 総報酬月額相当額 ÷ 2
・総報酬月額相当額が47万円超で基本月額が28万円以下の場合
 基本月額 – {(47万円 + 基本月額 – 28万円) ÷ 2 + ( 総報酬月額相当額 – 47万円)}
・総報酬月額相当額が47万円超で基本月額が28万円超の場合
 基本月額 – {47万円 ÷ 2 + (総報酬月額相当額 – 47万円)}
(2) 65歳以後の在職老齢年金
※計算式
・基本月額と総報酬月額相当額との合計が47万円以下の場合
 全額支給
・基本月額と総報酬月額相当額との合計が47万円を超える場合
 基本月額 – (基本月額 + 総報酬月額相当額 – 47万円) ÷ 2

(補足) 改正情報
(1) 在職老齢年金
・令和4年(2022年)4月1日施行
 60歳台前半の在職老齢年金について、基本月額と総報酬月額相当額の合計額が28万円以下から47万円以下に緩和される。

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