3級FP過去問解説(個人資産) 2018年5月 (問7) 所得税の申告と納付

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【第3問】 次の設例に基づいて、下記の各問(《問7》~《問9》)に答えなさい。


 Aさん(52歳)は、X社に勤務する会社員である。Aさんは、平成29年10月に生命保険を解約し、解約返戻金を受け取っている。
 Aさんの家族構成および平成29年分の収入等に関する資料は、以下のとおりである。

〈Aさんの家族構成〉
 ・Aさん (52歳)  :会社員
 ・妻Bさん (49歳) :専業主婦。平成29年中にパートタイマーとして給与収入80万円を得ている。
 ・長女Cさん(21歳) :大学生。平成29年中の収入はない。 
 ・長男Dさん(15歳) :中学生。平成29年中の収入はない。

〈Aさんの平成29年分の収入等に関する資料〉
(1) 給与収入の金額 :700万円
(2) 解約した生命保険に関する資料
 ・保険の種類 :一時払変額個人年金保険(10年確定年金)
 ・契約年月日 :平成25年6月1日
 ・契約者(=保険料負担者)・被保険者:Aさん
 ・解約返戻金額 :530万円
 ・一時払保険料 :500万円

※妻Bさん、長女Cさんおよび長男Dさんは、Aさんと同居し、生計を一にしている。
※家族は、いずれも障害者および特別障害者には該当しない。
※家族の年齢は、いずれも平成29年12月31日現在のものである。
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問7

Aさんの平成29年分の所得税の確定申告等に関する以下の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

      ⅰ)給与所得者であるAさんは、X社での年末調整により給与から源泉徴収された所得税が精算されて納税が完了するため、所得税の確定申告は不要である。ただし、「給与所得および退職所得以外の所得金額」が( ① )万円を超える場合は、所得税の確定申告をしなければならない。
      なお、所得税の確定申告を要しない場合であっても、年末調整で控除されない( ② )などの適用を受ける場合には、所得税の還付を受けるために確定申告書を提出することができる。
      ⅱ)Aさんは、一時払変額個人年金保険(10年確定年金)を、保険期間の初日から5年以内に解約しているため、その解約差益は、20.315%(所得税および復興特別所得税と住民税の合算)の税率による( ③ )の対象となる。
  1. ① 10  ② 寄附金控除    ③ 源泉分離課税
  2. ① 20  ② 医療費控除    ③ 源泉分離課税
  3. ① 20  ② 地震保険料控除  ③ 申告分離課税


[正解] 2 (適切)
[配点] 3  (点)

[解説]

ⅰ)給与所得者であるAさんは、X社での年末調整により給与から源泉徴収された所得税が精算されて納税が完了するため、所得税の確定申告は不要である。ただし、「給与所得および退職所得以外の所得金額」が( ① 20 )万円を超える場合は、所得税の確定申告をしなければならない。 なお、所得税の確定申告を要しない場合であっても、年末調整で控除されない( ② 医療費控除 )などの適用を受ける場合には、所得税の還付を受けるために確定申告書を提出することができる。
ⅱ)Aさんは、一時払変額個人年金保険(10年確定年金)を、保険期間の初日から5年以内に解約しているため、その解約差益は、20.315%(所得税および復興特別所得税と住民税の合算)の税率による( ③ 源泉分離課税 )の対象となる。

[要点のまとめ]
所得税の申告と納付

    目次

  1. 給与所得で確定申告が必要な人
  2. 青色申告特別控除
  3. 確定申告
  4. 改正情報

1 給与所得で確定申告が必要な人

(1) 給与の収入金額が2,000万円を超える。
(2) 給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円を超える。
(3) 給与を2か所以上から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)との合計額が20万円を超える。
※給与所得の収入金額の合計額から、所得控除の合計額(雑損控除、医療費控除、寄附金控除及び基礎控除を除く)を差し引いた残りの金額が150万円以下で、さらに各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円以下の場合は、申告不要となる。

また給与所得者に限らず、各種特例を適用したい場合などでも確定申告が必要となる。

(1) 住宅ローン控除の適用を受ける初年度
(2) 医療費控除の適用
(3) 寄附金控除の適用 など

2 青色申告特別控除

1. 青色申告の要件
(1) 不動産所得、事業所得、山林所得がある
(2) 青色申告をする年の3月15日まで(その年の1月16日以降に事業を開始する場合は事業開始後2ヶ月以内)
(3) 一定の帳簿書類を備え、7年間保存していること

2. 青色申告のおもな特典
(1) 青色申告特別控除(65万円or55万円or10万円)
 55万円控除するためには、事業的規模の不動産所得(5棟10室基準)または事業所得がある場合に、正規の簿記の原則にもとづいて作成した貸借対照表と損益計算書を添付し期限内に申告しなければならない。
 55万円の青色申告特別控除を受けることができる人が、電子帳簿保存又はe-Taxによる電子申告を行っている場合は、65万円の青色申告特別控除を受けられる。
(2) 青色事業専従者給与の必要経費算入
 適正額であれば、給与を必要経費とすることができる。
(3) 純損失の3年間の繰越控除
 純損失とは、損益通算しても引ききれなかった損失である。青色申告の要件を満たせば、翌年以降3年間にわたり控除することができる。
(4) 純損失の繰戻還付
 前年も青色申告をしていれば、前年の所得から損失を控除して、所得税の還付を受けることができる。
(5) 棚卸資産の評価について低価法を選択することができる。
 低価法は、資産の取得原価と時価を比較して、いずれか低い方の価額を期末棚卸資産の評価額とすることができる方法である。

3 確定申告

1. 確定申告の期限
所得税の確定申告の期間は、翌年の2月16日から3月15日までの間である。

2. 給与所得者で確定申告が必要な人
(1) 年収が2,000万円を超える
(2) 給与所得、退職所得以外の所得金額が20万円超
(3) 2ヵ所以上から給与を受け取っている

3. 給与所得者でも確定申告をしないと適用を受けられないもの
(1) 住宅ローン控除(初年度)
(2) 雑損控除、医療費控除、寄附金控除(※)
(3) 配当控除
※ワンストップ特例制度:寄付先が5自治体以内の場合、確定申告が不要となる制度。

4 改正情報

・令和2年分の所得から、青色申告特別控除が55万円となった。

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