3級FP過去問解説(個人資産) 2019年1月 (問8) 所得控除

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【第3問】 次の設例に基づいて、下記の各問(《問7》~《問9》)に答えなさい。


 会社員のAさんは、妻Bさん、長男Cさんおよび長女Dさんの4人家族である。Aさんは、平成30年中に「ふるさと納税」の制度を利用して、10の地方自治体に計12万円の寄附を行っている。また、Aさんは、平成30年中に妻Bさんの入院・手術費用として医療費30万円を支払ったため、医療費控除の適用を受ける予定である。
 なお、Aさんとその家族に関する資料等は、以下のとおりである。

<Aさんとその家族に関する資料>
 Aさん (50歳)  : 会社員
 妻Bさん (50歳) : 専業主婦。平成30年中の収入はない。
 長男Cさん(20歳) : アルバイト。平成30年中の給与収入は150万円である。
 長女Dさん(17歳) : 高校生。平成30年中の収入はない。

<Aさんの平成30年分の収入等に関する資料>
 (1) 給与収入の金額  : 930万円
 (2) 不動産所得の金額 : 120万円

  • 妻Bさん、長男Cさんおよび長女Dさんは、Aさんと同居し、生計を一にしている。
  • Aさんとその家族は、いずれも障害者および特別障害者には該当しない。
  • Aさんとその家族の年齢は、いずれも平成30年12月31日現在のものである。
  •   

  • 上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問8

Aさんの平成30年分の所得税における所得控除に関する以下の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

      ⅰ)( ① )、医療費控除および寄附金控除の3種類の所得控除については、年末調整では適用を受けることができないため、これらの控除の適用を受けるためには所得税の確定申告が必要となる。
      ⅱ)Aさんが適用を受けることができる配偶者控除の控除額は、( ② )である。
      ⅲ)Aさんが適用を受けることができる扶養控除の控除額は、( ③ )である。
  1. ① 雑損控除           ② 38万円  ③ 38万円
  2. ① 住宅借入金等特別控除    ② 26万円  ③ 63万円
  3. ① 小規模企業共済等掛金控除  ② 26万円  ③ 101万円



[正解] 1 (適切)
[配点] 3  (点)

[解説]

ⅰ)( ① 雑損控除 )、医療費控除および寄附金控除の3種類の所得控除については、年末調整では適用を受けることができないため、これらの控除の適用を受けるためには所得税の確定申告が必要となる。
ⅱ)Aさんが適用を受けることができる配偶者控除の控除額は、( ② 38万円 )である。
ⅲ)Aさんが適用を受けることができる扶養控除の控除額は、( ③ 38万円 )である。

① 住宅借入金等特別控除は、税額控除である。
② 配偶者控除は、配偶者の所得だけでなく、納税者本人の所得によっても金額が異なる。妻Bさんは専業主婦であるため控除対象配偶者であり、夫Aさんは、《問題7》より、所得金額が837万円で900万円以下なので、配偶者控除の金額は38万円となる。
③ 長男Cさんは、20歳なので特別扶養控除の対象年齢だが、給与収入が150万円あり、「150万円-65万円=85万円」の合計所得金額となるため、控除の対象にはならない。
長女Dさんは、16歳以上なので、一般の扶養控除の対象となる。よって、扶養控除は38万円となる。

[要点のまとめ]
所得控除

    目次

  1. 基礎控除
  2. 社会保険料控除
  3. 配偶者控除と配偶者特別控除
  4. 扶養控除
  5. 医療費控除

1 基礎控除

基礎控除は、確定申告や年末調整において所得税額の計算をする場合に、総所得金額などから差し引くことができる控除の一つである。基礎控除の金額は納税者本人の合計所得金額に応じてそれぞれ次のとおりとなる。

納税者本人の合計所得金額控除額
2,400万円以下48万円
2,400万円超2,450万円以下32万円
2,450万円超2,500万円以下16万円
2,500万円超0円

令和元年分以前の基礎控除の金額は、納税者本人の合計所得金額にかかわらず、一律38万円だった。

2 社会保険料控除

納税者が自己または生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合には、その支払った金額について所得控除を受けることができる。控除できる金額は、その年に実際に支払った金額または給与や公的年金から差し引かれた金額の全額である。

3 配偶者控除と配偶者特別控除

1. 配偶者控除
配偶者控除は、配偶者の合計所得金額が48万円以下で、納税者の合計所得金額に応じて配偶者控除額が決まる。納税者本人の合計所得金額は1,000万円以下でなければならない。なお令和元年分以前は配偶者の合計所得金額は38万円以下である

居住者の合計所得金額
万円超  万円以下
一般の控除対象配偶者老人控除対象配偶者
~ 900
900 ~ 950
950 ~ 1,000
38万円
26万円
13万円
48万円
32万円
16万円

※老人控除対象配偶者とは、控除対象配偶者のうち、その年12月31日現在の年齢が70歳以上の人

2. 配偶者特別控除
配偶者控除が適用できないが、配偶者の合計所得金額38万円超123万円未満であれば配偶者特別控除の対象となる。
配偶者控除と配偶者特別控除は、青色事業専従者青色事業専従者や事業専従者に該当すると適用できない。

4 扶養控除

1. 扶養控除の要件
(1) 納税者と生計を一にする配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)

(2) 年間の合計所得金額が48万円以下(令和元年分以前は38万円以下)であること。
  ※給与のみの場合は給与収入が103万円以下
(3) 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

2. 扶養控除額
(1) 一般扶養控除(16歳以上)  38万円
(2) 特定扶養親族(19歳以上23歳未満)  63万円
(3) 老人扶養親族(70歳以上)  同居58万円、他48万円

5 医療費控除

1. 医療費控除

その年の1月1日から12月31日までの間に自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合において、その支払った医療費が一定額を超えるときは、その医療費の額を基に計算される金額の所得控除を受けることができる。
(1) 医療費控除額の計算式
 支出した医療費の額-保険金の額 – 10万円(又は総所得金額等の合計額 × 5%のいずれか低い方)
(2) 医療費控除の対象
・医師等による診療等を受けるための通院費、医師等の送迎費、入院の際の部屋代や食事代の費用、コルセットなどの医療用器具等の購入代やその賃借料で通常必要なもの
・風邪をひいた場合の風邪薬などの購入代金
・健康診断等の結果、重大な疾病が発見され、かつ、その診断等に引き続きその疾病の治療を行った場合
(3) 医療費控除の対象外
・自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車場の料金等
・健康診断の費用や医師等に対する謝礼金など
・ビタミン剤などの病気の予防や健康増進のために用いられる医薬品の購入代金

2. セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)

健康の維持増進及び疾病の予防への取組として健康診査やがん検診などを行う個人が、平成29年1月1日から平成33年12月31日までに、スイッチOTC医薬品(要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)を購入した際に、その購入費用について所得控除を受けることができる。
(1) 対象者:本人又は本人と生計を一にする配偶者その他の親族
(2) 控除額:その年中の支払額12,000円を超える部分の金額について、その年分の総所得金額等から控除する。
  ※支払額100,000円(控除額では100,000円 – 12,000円 = 88,000円)が上限となる。
(3) 要件:特定健康診査(メタボ健診)・予防接種・定期健康診断(事業主健診)・健康診査・がん検診を受けていること
  ※対象製品に「セルフメディケーション税控除対象」の共通識別マークがある。
(4) 10万円の医療費控除との併用:できない。また医療費控除と同様、確定申告が必要である。

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