3級FP過去問解説(個人資産) 2019年1月 (問12) 不動産の基礎知識

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【第4問】 次の設例に基づいて、下記の各問(《問10》~《問12》)に答えなさい。


 会社員のAさん(55歳)は、現在、会社の借上げ社宅(マンション)に妻と2人で暮らしているが、定年退職後の生活を見据えて、妻の趣味であるガーデニングを楽しむための戸建て住宅を購入したいと考えている。具体的には、現在の住まいから徒歩圏内にある甲土地および建物の購入を検討している。
 甲土地および建物の概要は、以下のとおりである。

  • ・指定建蔽率および指定容積率とは、それぞれ都市計画において定められた数値である。
  • ・特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域ではない。
  •   

  • ※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問12

不動産登記簿の見方およびその調査に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 「甲土地の購入の検討にあたっては、登記簿で権利関係を確認してください。所有権に関する登記事項は、権利部(甲区)で確認することができます」
  2. 「全部事項証明書(登記簿謄本)は、誰でも交付を受けることができます。交付にあたっては、土地の地番、建物の家屋番号を確認のうえ、申請してください」
  3. 「甲土地の全部事項証明書(登記簿謄本)を取得するためには、甲土地が所在する市区町村役場にその交付の申請をする必要があります。各自治体のホームページからオンライン請求することも可能です」


[正解] 3 (不適切)
[配点] 3  (点)

[解説]

  1. 「甲土地の購入の検討にあたっては、登記簿で権利関係を確認してください。所有権に関する登記事項は、権利部(甲区)で確認することができます」
  2. [解説]
    登記簿は、表題部、権利部(甲区)、権利部(乙区)があり、所有権に関する登記事項は権利部(甲区)に記載されている。

  3. 「全部事項証明書(登記簿謄本)は、誰でも交付を受けることができます。交付にあたっては、土地の地番、建物の家屋番号を確認のうえ、申請してください」
  4. [解説]
    全部事項証明書(登記簿謄本)は、誰でも交付申請ができる。よく誤りの選択肢で「利害関係者のみ」とあるため注意すること。また申請する際には、土地の地番や建物の家屋番号を確認しなければならない。実際の住所地と登記簿上の地番が異なるため、実際の住所地で申請しても希望する土地の情報は得られない可能性がある。

  5. 「甲土地の全部事項証明書(登記簿謄本)を取得するためには、甲土地が所在する市区町村役場にその交付の申請をする必要があります。各自治体のホームページからオンライン請求することも可能です」
  6. [解説]
    全部事項証明書の交付申請は、登記・供託オンライン申請システムで行う。自治体のホームページから申請することはできない。少々細かい内容なので、肢1、2が適切であると判断できれば正解できるだろう。

[要点のまとめ]
不動産の基礎知識

    目次

  1. 土地の価格
  2. 不動産登記
  3. 不動産の取引
  4. 改正情報

1 土地の価格

公示価格基準地標準価格相続税評価額固定資産税評価額
発表機関国土交通省都道府県国税庁市町村(東京23区は東京都)
利用目的一般の取引価格の指標一般の取引価格の指標相続税や贈与税の基準固定資産税や不動産取得税の基準
基準日毎年1月1日毎年7月1日毎年1月1日3年ごと1月1日
公表日3月下旬9月下旬7月1日3月(4月)
評価割合80%70%

※公示価格:土地鑑定委員会が、2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め、その結果を審査し、必要な調整を行って、当該標準地の1平方メートル当たりの正常な価格を判定
※基準地標準価格:知事が毎年7月1日時点の基準地の標準価格を判定

2 不動産登記

1. 不動産登記
・表題部
 不動産の所在地、面積、構造などを記録し、建物を新築したときに登記(表題登記)する。
 表題登記は、1ヶ月以内に行わなければならない。
・権利部(甲区)
 所有権の保存や移転、差押えや仮処分など
・権利部(乙区)
 所有権以外の権利で、抵当権や賃借権など

2. 登記簿上の面積
 面積には、壁の中心を結ぶ壁芯面積と壁の内側を結ぶ内法面積があり、登記簿では内法面積で表示される。

3. 仮登記
 仮登記は、将来の本登記のために、登記の順位を保全するために行う。

4. 登記簿の閲覧
 登記所に手数料を払えば、誰でも登記簿を閲覧することができる。

3 不動産の取引

1 手付金
不動産の取引において、契約締結時に買主が売主に売買代金の一部を支払う。手付金には、解約手付、違約手付、証約手付の3種類あるが、特段の定めがない限り、解約手付とされる。この手付金を支払うことで、契約が正式なものである証しとなるだけでなく、一定期間内であれば契約締結後でも契約を解除できる働きがある。

・買主は手付金を放棄することより、売主は手付金の倍額を支払うことにより契約を解除することができる。
・ただし、契約を解除できるのは、相手が履行に着手する前までとなる。

(具体例)
手付金は、買主が売主に渡しているので、手付金20万円の場合は
・買主による解除
 手付金(20万円)の放棄
・売主による解除
 事前に受け取っている手付金(20万円)とあわせて、合計40万円を渡す。そのため、同額ではなく倍額を買主に渡すことになる。

2. 契約不適合責任

対象期間
民法瑕疵瑕疵を知ったときから1年以内
宅建業法瑕疵引渡しの日から2年以上
住宅品質確保法構造体力上主要部分など引渡から10年

4 改正情報

・民法:2020年4月1日から瑕疵担保責任が契約不適合責任に変更され、隠れた瑕疵も瑕疵に改められた。

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