3級FP過去問解説(個人資産) 2019年9月 (問5) 投資信託

【第2問】 次の設例に基づいて、下記の各問(《問4》~《問6》)に答えなさい。


 会社員のAさん(28歳)は、将来に向けた資産形成のため、株式や投資信託による運用を考えている。Aさんは、先日、会社の先輩社員から「最初はNISAから始めるのがよいのではないか」と言われたが、よくわからないでいる。
 そこで、Aさんは、金融機関に勤務するファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。Mさんは、Aさんに対して、X社株式(東京証券取引所市場第一部上場)およびY投資信託を例として、説明を行うことにした。

<X社に関する資料>

総資産4,000億円
自己資本(純資産)2,400億円
当期純利益300億円
年間配当金総額120億円
発行済株式数8,000万株
株価4,200円
決算期12月31日

<Y投資信託(公募株式投資信託)に関する資料>
 銘柄名         :TOPIXインデックスファンド(つみたてNISA対象商品)
 投資対象地域/資産   : 国内/株式
 信託期間        : 無期限
 基準価額        : 12,500円(1万口当たり)
 決算日         : 年1回(9月20日)
 購入時手数料      : なし
 運用管理費用(信託報酬) : 0.1836%(税込)
 信託財産留保額     : なし

※《設例》および各問において、以下の名称を使用している。
・非課税上場株式等管理契約に係る少額投資非課税制度を「一般NISA」という。
・非課税累積投資契約に係る少額投資非課税制度を「つみたてNISA」という。

※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問5

次に、Mさんは、Y投資信託について説明した。MさんのAさんに対する説明として、次のうち最も適切なものはどれか。

  1. 「TOPIXは、東証株価指数と言われる株価指数です。東京証券取引所市場第一部および第二部に上場している内国普通株式の全銘柄を対象とする株価指数で、株価水準の高い銘柄(値がさ株)の値動きの影響を受けやすいという特徴があります」
  2. 「購入時手数料はありませんが、運用管理費用(信託報酬)の負担があります。一般に、運用管理費用(信託報酬)は、Y投資信託のようなインデックス型の投資信託のほうがアクティブ運用の投資信託よりも低いという特徴があります」
  3. 「つみたてNISAの対象となる投資信託は、Y投資信託のようなインデックス型の投資信託に限定されており、アクティブ運用の投資信託は対象となっていません」


[正解] 2 (適切)
[配点] 3  (点)

[解説]

  1. 「TOPIXは、東証株価指数と言われる株価指数です。東京証券取引所市場第一部および第二部に上場している内国普通株式の全銘柄を対象とする株価指数で、株価水準の高い銘柄(値がさ株)の値動きの影響を受けやすいという特徴があります」
  2. [解説]
    東証1部に上場されているすべての銘柄の時価総額を指数化したもの。時価総額の大きい銘柄(大型株)の値動きの影響を受けやすい。

  3. 「購入時手数料はありませんが、運用管理費用(信託報酬)の負担があります。一般に、運用管理費用(信託報酬)は、Y投資信託のようなインデックス型の投資信託のほうがアクティブ運用の投資信託よりも低いという特徴があります」
  4. [解説]
    アクティブ運用の投資信託は日経平均株価などの指標以上のパフォーマンスを目指すため、一般に運用管理費用(信託報酬)は高めになる。

  5. 「つみたてNISAの対象となる投資信託は、Y投資信託のようなインデックス型の投資信託に限定されており、アクティブ運用の投資信託は対象となっていません」
  6. [解説]
    つみたてNISAの対象となる投資信託は、条件を満たした投資信託や上場投資信託などで、アクティブ運用の投資信託も対象である。

[要点のまとめ]
投資信託

1 投資信託の分類

投資信託は、多くの投資家から資金を集め、投資の専門家が株式や債券、不動産などに分散投資をし、利益を投資家に分配する金融商品である。

1. 運用方法による分類

・パッシブ運用(インデックス運用):ベンチマークに連動した運用成果を目指す方法
・アクティブ運用:ベンチマークを上回る運用成果を目指す方法
※ベンチマークとは、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)など運用の目標とする基準

2. 投資信託の運用方法

1.パッシブ運用
ベンチマークに連動した運用成果を目指す。
2.アクティブ運用
ベンチマークを上回る運用成果を目指す。
<アクティブ運用>
1.トップダウンアプローチ
マクロ的な投資環境をもとに投資対象とする業種を決定してから個別の銘柄を選ぶ。
2.ボトムアップアプローチ
個別銘柄を調査し、分析してから投資対象を決定する。
3.グロース型
成長銘柄を中心に投資をする。
4.バリュー型
企業の利益や規模などから、割安な銘柄に投資する。

2 投資信託の種類

1. 上場している投資信託

証券市場に上場している投資信託の取引方法は株式と同じで、次のような種類がある。
・ETF(株価指数連動型上場投資信託):日経平均株価などの指数に連動するよう運用される投資信託である。
・J-REIT(上場不動産投資信託):投資家から資金を集めて不動産に投資し、賃料などを配当として分配する投資信託である。J-REITは、多くの投資家から集めた資金で、マンションやオフィスビル、商業施設など複数の不動産などを購入し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する商品である。一般的な投資信託とは異なり、証券取引所に上場している。一個人が複数の不動産を持ち、リスク分散するには多額の資金が必要となるが、J-REITは少額で不動産への分散投資ができることが利点となる。加えて、不動産投資は換金性が低いが、J-REITであれば換金性が高い(不動産を売却しようと思っても買い手が現れなければ売却できず、金額も株式等と比べて買い手が見つかれにくいが、株式と同じように取引できる上場された商品であれば換金性は高まる)。

3 投資信託の費用

投資信託では、次のような費用を負担しなければならない。

費用負担時期概要
販売手数料購入時投資信託を購入する際、販売会社に支払う費用で、同じ投資信託でも販売会社によって異なることがある。販売手数料のない投資信託をノーロードファンドとよぶ。
信託報酬保有時販売会社、運用会社(委託者)、管理会社(受託者)それぞれに支払う費用で、日々信託財産から差し引かれる
信託財産留保額中途換金時中途換金時に徴収される費用

【報告する】誤字脱字・解答解説ミスなど 誤字脱字・解答解説誤りなどございましたら、お手数ですがご報告をお願いいたします。

error:Content is protected !!