3級FP過去問解説(個人資産) 2019年9月 (問11) 不動産と税金

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【第4問】 次の設例に基づいて、下記の各問(《問10》~《問12》)に答えなさい。


 Aさん(55歳)は、上場企業に勤務する会社員である。2019年2月、X市内の実家(甲土地および建物)で1人暮らしをしていた母Bさんが死亡した。法定相続人は、1人息子のAさんのみであり、相続手続は完了している。
 Aさんは、祖父の代から所有する甲土地を売却することに抵抗があるが、Aさんの妻は「だれも住んでいない空き家を所有していても管理などが大変。今のうちに売却したほうがよいのではないか」と言っている。
 他方、先日、ビジネスホテルチェーンのY社から、「X市内でビジネスホテルを新規オープンしたいと考えている。X駅から徒歩3分の甲土地に、40年間の事業用定期借地権を設定させてください」との提案があり、Aさんは甲土地の有効活用に興味を抱くようになった。



・指定建蔽率および指定容積率とは、それぞれ都市計画において定められた数値である。
・特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域ではない。

※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問11

被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例(以下、「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 「Aさんが相続により取得した実家の家屋と甲土地を譲渡し、本特例の適用を受けた場合、最高3,000万円の特別控除の適用を受けることができます」
  2. 「家屋を取り壊して、甲土地を更地にした場合、本特例の適用を受けることはできませんので、家屋は現況の空き家のままにしておいてください」
  3. 「本特例の適用を受けるためには、確定申告書にX市から交付を受けた被相続人居住用家屋等確認書を添付する必要があります」


[正解] 2 (不適切)
[配点] 3  (点)

[解説]

  1. 「Aさんが相続により取得した実家の家屋と甲土地を譲渡し、本特例の適用を受けた場合、最高3,000万円の特別控除の適用を受けることができます」
  2. [解説]
    適切である。「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」は、相続(又は遺贈)により取得した被相続人居住用家屋やその敷地等を、平成28年4月1日から令和5年12月31日までの間に売って、一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除することができる。

  3. 「家屋を取り壊して、甲土地を更地にした場合、本特例の適用を受けることはできませんので、家屋は現況の空き家のままにしておいてください」
  4. [解説]
    不適切である。相続(又は遺贈)により取得した被相続人居住用家屋の全部の取壊し等をしたあとに被相続人居住用家屋の敷地等を売ることもできる。

  5. 「本特例の適用を受けるためには、確定申告書にX市から交付を受けた被相続人居住用家屋等確認書を添付する必要があります」
  6. [解説]
    適切である。相続(又は遺贈)により取得した被相続人居住用家屋やそのの敷地等を売った場合は、売った資産の所在地を管轄する市区町村長から交付を受けた「被相続人居住用家屋等確認書」を添付しなければならない。

[要点のまとめ]
不動産と税金

    目次

  1. 不動産取得時にかかる税金
  2. 不動産保有時にかかる税金
  3. 不動産譲渡時にかかる税金

1 不動産取得時にかかる税金

1. 不動産取得税

・不動産を取得した者にかかる税金
基礎知識相続によって不動産を取得した場合は、不動産取得税は課せられない。

2 不動産保有時にかかる税金

1. 固定資産税

(1) 地方税
(2) 毎年1月1日固定資産税課税台帳に登録されている所有者に課税
(3) 固定資産税額 = 課税標準 × 1.4%
(4) 課税標準の特例
 200㎡以下の部分:課税標準 × 1/6
 200㎡超の部分:課税標準 × 1/3
(5) 新築住宅の税額軽減特例
 新築後5年間(または3年間)、120㎡までの部分について税額が1/2になる。

税金の種類課税主体納税義務者(原則)課税標準(原則)
不動産取得税都道府県不動産の取得者。ただし、相続により取得した場合は非課税固定資産税評価額
登録免許税登記を受ける者抵当権設定登記等を除き、固定資産税評価額
固定資産税市町村(東京23区は東京都)1月1日現在の固定資産の所有者固定資産税評価額

3 不動産譲渡時にかかる税金

1 譲渡所得

(算式)
 譲渡所得 = 収入金額 – ( 取得費 + 譲渡費用 )
※取得費が不明な場合(取得費が収入金額の5%未満の場合も)は、基礎知識収入金額の5%(概算取得費)とすることができる。

2 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除

1. 適用要件
(1) 自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。なお、以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
 (注) 住んでいた家屋又は住まなくなった家屋を取り壊した場合は、次の2つの要件全てに当てはまることが必要。
 イ その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
 ロ 家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。
(2) 売った年の前年及び前々年にこの特例(「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」によりこの特例の適用を受けている場合を除く)又はマイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。
(3) 売った年、その前年及び前々年にマイホームの買換えやマイホームの交換の特例の適用を受けていないこと。
(4) 売った家屋や敷地について、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと。
(5) 災害によって滅失した家屋の場合は、その敷地を住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
(6) 売手と買手が、親子や夫婦など特別な関係でないこと。
 特別な関係には、このほか生計を一にする親族、家屋を売った後その売った家屋で同居する親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含む。

2. ポイント
(1) 基礎知識所有期間は短期でも長期でも適用できる。
(2) 控除後に課税譲渡所得がゼロとなっても確定申告が必要
(3) 「居住用財産の軽減税率の特例」(居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例)と重複利用できる。
 ※「特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例」とは重複利用できない。
(4) 前年、前々年に適用を受けていないこと
(5) 配偶者や子に譲渡した場合は対象外

3 居住用財産の軽減税率の特例

1. 適用要件
(1) 日本国内にある自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地を売ること。
 なお、以前に住んでいた家屋や敷地の場合には、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
 また、これらの家屋が災害により滅失した場合には、その敷地を住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
(注) 住んでいた家屋又は住まなくなった家屋を取り壊した場合は、次の3つの要件全てに当てはまることが必要です。
 イ 取り壊された家屋及びその敷地は、家屋が取り壊された日の属する年の1月1日において所有期間が10年を超えるものであること。
 ロ その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
 ハ 家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。
(2) 売った年の1月1日において売った家屋や敷地の所有期間がともに10年を超えていること。
(3) 売った年の前年及び前々年にこの特例を受けていないこと。
(4) 売った家屋や敷地についてマイホームの買換えや交換の特例など他の特例を受けていないこと。ただし、マイホームを売ったときの3,000万円の特別控除の特例と軽減税率の特例は重複適用可能。
(5) 親子や夫婦など特別の関係がある人に対して売ったものでないこと。
 特別の関係には、このほか生計を一にする親族、家屋を売った後その売った家屋で同居する親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれる。
(注)  (特定増改築等)住宅借入金等特別控除については、入居した年、その前年又は前々年に、この軽減税率の特例の適用を受けた場合には、その適用を受けることはできない。

4 特定の居住用財産の買換えの特例

特定のマイホーム(居住用財産)を、令和3年12月31日までに売って、代わりのマイホームに買い換えたときは、一定の要件のもと、譲渡益に対する課税を将来に繰り延べることができる特例である。

1. 適用要件
(1) 自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。なお以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
(注) 住んでいた家屋又は住まなくなった家屋を取り壊した場合は、次の3つの要件全てに当てはまる必要がある。
 イ 取り壊された家屋及びその敷地は、家屋が取り壊された日の属する年の1月1日において所有期間が10年を超えるものであること。
 ロ その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
 ハ 家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。
(2) 売った年、その前年及び前々年にマイホームを譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例(被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例を除きます。)又はマイホームを売ったときの軽減税率の特例若しくはマイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。また、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けないこと。
(3) 売ったマイホームと買い換えたマイホームは、日本国内にあるものであること。
(4) 基礎知識売却代金が1億円以下であること。
 この特例の適用を受けるマイホームと一体として利用していた部分を別途分割して売却している場合における1億円以下であるかどうかの判定は、マイホームを売却した年の前々年から翌々年までの5年間に分割して売却した部分も含めた売却代金により行う。このためマイホームを売却した年、その前年及びその前々年の売却代金の合計額が1億円以下であることから、この特例を受けていた場合で、マイホームを売却した年の翌年又は翌々年にこの特例の適用を受けたマイホームの残りの部分を売却して売却代金の合計額が1億円を超えた場合には、その売却の日から4ヶ月以内に修正申告書の提出と納税が必要となる。
(5) 基礎知識売った人の居住期間が10年以上で、かつ、売った年の1月1日において売った家屋やその敷地の所有期間が共に10年を超えるものであること。
(6) 買い換える建物の床面積が50平方メートル以上のものであり、買い換える土地の面積が500平方メートル以下のものであること。
(7) マイホームを売った年の前年から翌年までの3年の間にマイホームを買い換えること。また買い換えたマイホームには、取得した時期により次の期限までに住むこと。
 イ 売った年かその前年に取得したときは、売った年の翌年12月31日まで
 ロ 売った年の翌年に取得したときは、取得した年の翌年12月31日まで
(8) 買い換えるマイホームが、耐火建築物の中古住宅である場合には、取得の日以前25年以内に建築されたものであること、又は一定の耐震基準を満たすものであること。
(9) 買い換えるマイホームが、耐火建築物以外の中古住宅である場合には、取得の日以前25年以内に建築されたものであること、又は、取得期限までに一定の耐震基準を満たすものであること。
(10) 親子や夫婦など特別の関係がある人に対して売ったものでないこと。
 特別の関係には、このほか生計を一にする親族、家屋を売った後その売った家屋で同居する親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれる。
(注) (特定増改築等)住宅借入金等特別控除については、入居した年、その前年又は前々年に、このマイホームを買い換えたときの特例の適用を受けた場合には、その適用を受けることはできない。
 また、入居した年の翌年以降において、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の対象となる資産以外の資産を譲渡してこの特例の適用を受ける場合は、次のとおりとなる。
 イ その譲渡が令和2年4月1日以降の場合
  入居した年の翌年から3年目までのいずれかの年中の譲渡である場合は、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の適用を受けることはできない。
 ロ その譲渡が令和2年3月31日以前の場合
  入居した年の翌年又は翌々年中の譲渡である場合は、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の適用を受けることはできない。

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