3級FP過去問解説(個人資産) 2020年9月 (問13) 贈与税の特例

【第5問】 次の設例に基づいて、下記の各問(《問13》~《問15》)に答えなさい。


 個人で不動産賃貸業を営むAさん(70歳)は、K市内の自宅で妻Bさん(68歳)との2人暮らしである。
 Aさんには、2人の子がいる。民間企業に勤務する長男Cさん(42歳)は、妻、孫Eさん(10歳)および孫Fさん(8歳)の4人で勤務先の社宅に住んでいる。長男Cさんは、住宅の購入を検討しており、Aさんに資金援助を求めている。長女Dさん(40歳)は、K市内の夫名義の持家に住んでいるが、住宅ローンの返済等で家計に余裕はなく、孫Gさん(15歳)および孫Hさん(12歳)の学費を援助してほしいと期待しているようである。Aさんは、現金の贈与を検討している。

問13

「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」(以下、「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 「Aさんからの資金援助について、長男Cさんが本特例の適用を受けた場合、2,500万円までの贈与について贈与税は課されませんが、その額を超える部分については、一律20%の税率により贈与税が課されます」
  2. 「本特例の適用を受けるためには、長男Cさんの贈与を受けた年分の合計所得金額が2,000万円以下であること、取得する住宅用家屋の床面積が50㎡以上240㎡以下であることなど、所定の要件を満たす必要があります」
  3. 「本特例の適用を受けるためには、原則として、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、本特例の適用を受ける旨を記載した贈与税の申告書に所定の書類を添付して、納税地の所轄税務署長に提出する必要があります」


[正解] 1 (不適切)
[配点] 3  (点)

[解説]

  1. 「Aさんからの資金援助について、長男Cさんが本特例の適用を受けた場合、2,500万円までの贈与について贈与税は課されませんが、その額を超える部分については、一律20%の税率により贈与税が課されます」
  2. [解説]
    この説明は相続時精算課税制度の内容である。

  3. 「本特例の適用を受けるためには、長男Cさんの贈与を受けた年分の合計所得金額が2,000万円以下であること、取得する住宅用家屋の床面積が50㎡以上240㎡以下であることなど、所定の要件を満たす必要があります」
  4. [解説]
    本特例の適用を受けるためには、長男Cさんの贈与を受けた年分の合計所得金額が2,000万円以下であること、取得する住宅用家屋の床面積が50㎡以上240㎡以下であることなど、所定の要件を満たす必要がある。

  5. 「本特例の適用を受けるためには、原則として、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、本特例の適用を受ける旨を記載した贈与税の申告書に所定の書類を添付して、納税地の所轄税務署長に提出する必要があります」
  6. [解説]
    本特例の適用を受けるためには、原則として、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、本特例の適用を受ける旨を記載した贈与税の申告書に所定の書類を添付して、納税地の所轄税務署長に提出する必要がある。

[要点のまとめ]
贈与税の特例

1 贈与税の配偶者控除

 贈与税の配偶者控除は、婚姻期間が20年以上の配偶者から居住用不動産(居住用不動産を取得するための資金)を贈与された場合、最高2,000万円の配偶者控除を受けられる制度である。贈与税の配偶者控除のポイントは次のとおりである。
(1) 婚姻期間20年以上
(2) 居住用不動産または居住用不動産を取得するための資金が対象
(3) 贈与を受けた年の翌年3月15日までに居住を開始し、引き続き居住する見込みであること
(4) 同じ配偶者から1回しか使えない。
(5) この特例適用後の贈与税額がゼロになったとしても贈与税の申告をしなければならない。
(6) 相続税の生前贈与の対象にはならない。
(7) 贈与年に贈与者が死亡したとしても、贈与税の配偶者控除を適用できる。
(8) 基礎控除110万円と併用すれば、2,110万円の控除を受けられる。

2 教育資金の一括贈与

一定の要件を満たすと、教育資金のための贈与について、一定額の贈与税が非課税となる制度である。

贈与者受贈者の直系尊属
受贈者30歳未満の子や孫などで、贈与年の前年の合計所得金額が1,000万円以下の者
非課税となる教育資金学校等に支払われる入学金や授業料、定期券代、留学渡航費など
非課税限度額受贈者1人につき1,500万円
※学校等以外への支払いは500万円
適用期間平成25年4月1日から令和3年3月31日まで

3 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税

1. 適用対象者
・贈与者:直系尊属
・受贈者:満20歳以上、贈与を受けた年の合計所得金額2,000万円以下

2. 適用住宅
・床面積: 50㎡以上240㎡以下
・床面積の2分の1以上が居住用
・耐火建築物は築後25年以内、非耐火建築物は築後20年以内
・贈与を受けた年の翌年3月15日までに居住する

3. 非課税限度額
・一般: 2,500万円
・省エネ・耐震性:3,000万円

4. 手続き
・非課税の特例の適用を受けるためには、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、贈与税の申告をする必要がある

5. 備考
・相続時精算課税と併用して適用を受けることができる

4 相続時精算課税制度

相続時精算課税制度は、親や祖父母の財産を早めに子や孫に移転できるように、贈与時の負担を軽減し、将来の相続時にまとめて相続税を課税する制度である。

1. 概要
贈与者:満60歳以上の父母や祖父母
受贈者:満20歳以上の推定相続人である子や満20歳以上の孫
 ※年齢は、贈与年の1月1日時点で判定する。
特徴:2,500万円までは贈与税の対象外となり、非課税枠を超えた分は一律20%の贈与税が課せられる。なお財産が非課税となるわけではなく、相続税の課税対象となる。

【報告する】誤字脱字・解答解説ミスなど 誤字脱字・解答解説誤りなどございましたら、お手数ですがご報告をお願いいたします。

error:Content is protected !!