3級FP過去問解説(個人資産) 2021年5月 (問7) 課税標準の計算

スポンサーリンク

【第3問】 次の設例に基づいて、下記の各問(《問7》~《問9》)に答えなさい。


 会社役員のAさんは、妻Bさんおよび長女Cさんとの3人暮らしである。Aさんは、2020年8月から老齢基礎年金を受給している。なお、不動産所得の金額の前の「▲」は赤字であることを表している。
 また、Aさんは、2020年中にAさん自身に係る入院・手術・通院に係る医療費を支払ったため、医療費控除の適用を検討している。

<Aさんとその家族に関する資料>
 Aさん (65歳) : 会社役員
 妻Bさん (60歳) : 2020年中に、パートタイマーとして給与収入100万円を得ている。
 長女Cさん(25歳) : 大学院生。2020年中の収入はない。

<Aさんの2020年分の収入等に関する資料>
 (1) 給与収入の金額 : 1,000万円
 (2) 老齢基礎年金の年金額 : 35万円
 (3) 不動産所得の金額 : ▲100万円(注)
 (注) :土地等の取得に係る負債の利子はない

※妻Bさんおよび長女Cさんは、Aさんと同居し、生計を一にしている。
※Aさんとその家族は、いずれも障害者および特別障害者には該当しない。
※Aさんとその家族の年齢は、いずれも2020年12月31日現在のものである。

※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問7

Aさんの2020年分の所得税における総所得金額は、次のうちどれか。

  1. 705万円
  2. 740万円
  3. 840万円




[正解] 1 (適切)
[配点] 4  (点)

[解説]

・Aさんの所得は、給与所得、雑所得(老齢基礎年金)、不動産所得であり、いずれも総合課税である。
・給与所得
 1,000万円 – 195万円 = 805万円
・雑所得
 雑所得は、65歳未満と65歳以上で公的年金等控除額の算式は異なる。公的年金等控除額の算式を暗記する必要はないが、最低限の控除額は覚えておく必要があり、65歳未満の者は70万円(収入金額130万円未満)、65歳以上の者は120万円(収入金額330万円未満)である。
 Aさんは65歳で、収入金額が35万円なので、公的年金等控除額は120万円となり、課税対象となる雑所得はない。
・不動産所得
 不動産所得の損失に土地等の取得に係る負債の利子はないため、全額損益通算可能である。
・総所得金額
 805万円 – 100万円 = 705万円

[要点のまとめ]
課税標準の計算

    目次

  1. 総所得金額の計算
  2. 損益通算

1 総所得金額の計算

1. 総所得金額の計算のポイント
総所得金額の計算は学科でもよく出題される。総所得金額であるため、大前提として総合課税と分離課税の区別をしておかなければならない。各所得の計算方法と総合所得金額に算入する際の決まりについて理解しておく必要がある。

2. よく出題される所得の種類
(1) 不動産所得、給与所得、一時所得、事業所得、雑所得、譲渡所得(分離課税として)
(2) 遺族給付などそもそも非課税の収入がある。

3. 損益通算する
(1) 総所得金額に算入する際には損益通算の知識が必要である(下記参照)。
(2) 一時所得の損失は損益通算できないため、総合課税でも算入しない場合がある。
(3) 分離課税は除外し、損益通算したあと総所得金額に算入する。

4. 総所得金額への合算
(1) 一時所得は1/2する。
(2) 給与収入や年金収入は控除額を求めてから算入。

2 損益通算

1. 損益通算できる所得の損失
基礎知識不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得の損失は、ほかの所得と損益通算できる。
※あくまでも、損益通算できる所得の損失なので、相手方は給与所得や一時所得でも構わない。

2. 不事山譲の例外
(1) 不動産所得の損失における例外
土地の取得のために要した借入金の利子等は損益通算できない。
(2) 譲渡所得の損失における例外
株式の譲渡や不動産の譲渡、生活する上で必要のない資産の譲渡による損失は損益通算できない。
※例外の例外として、株式の譲渡における損失は損益通算できないが、特例により配当所得との損益通算が可能である。

【報告する】誤字脱字・解答解説ミスなど 誤字脱字・解答解説誤りなどございましたら、お手数ですがご報告をお願いいたします。

error:Content is protected !!