3級FP過去問解説(資産設計) 2021年5月 (問10) 所得の種類①

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問10

 西里さんは、2020年7月に新築のアパートを購入し、新たに不動産賃貸業を開始した。購入したアパートの建物部分の情報は下記<資料>のとおりである。西里さんの2020年分の所得税における不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入する減価償却費の金額として、正しいものはどれか。

  1. 825,000円
  2. 1,612,500円
  3. 1,650,000円


[正解] 1 (適切)

[解説]

法定減価償却
原則、所得税は定額法、法人税は定率法が法定償却方法となる。ただし建物や建物附属設備は定額法となる。
75,000,000円 × 0.022 × 6/12 = 825,000円

[要点のまとめ]
所得の種類①

    目次

  1. 利子所得
  2. 配当所得
  3. 不動産所得
  4. 事業所得
  5. 給与所得
  6. 改正情報

1 利子所得

1. おもな利子所得
次のような収入が利子所得に該当する。
・預貯金の利子 ・公社債の利子 ・公社債投資信託の収益分配金 など

2. 利子所得の計算
利子所得の金額 = 収入金額

3. 課税方法
(1) 預貯金の利子や公社債の利子 など
 20.315%(所得税15.315%、住民税5%)の源泉分離課税
(2) 公社債投資信託の収益分配金 など
 申告分離課税(申告不要制度もある)

2 配当所得

配当所得とは、株主や出資者が法人から受ける配当金、投資信託(公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託以外のもの)の収益分配金などに係る所得である。

1. 配当所得の計算
 収入金額 – 株式等を取得するための負債利子

2. 課税方法
(1) 課税方法
・総合課税(原則)
 確定申告が必要、配当控除はできるが上場株式等の譲渡損失との損益通算はできない。
・申告分離課税
 確定申告が必要、、配当控除はできないが上場株式等の譲渡損失との損益通算はできる。
・申告不要
 源泉徴収(確定申告不要)、配当控除も上場株式等の譲渡損失との損益通算もできない。
(2) 税率
・上場株式等 20.315%
 所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%
・上場株式等以外 20.42%
 所得税20%、復興特別所得税0.42%、住民税なし

3 不動産所得

不動産所得は、
総収入金額 – 必要経費( – 青色申告特別控除額)
で求める。

不動産所得は総合課税で、損失があるときは、他の所得と損益通算が可能である。ただし、「不動産所得を生ずべき土地等を取得するために要した負債の利子の額」は含めることはできない。

4 事業所得

1. 減価償却の概要
一定額以上の資産を取得した場合、その資産は年度をまたいで使用する。収入と支出を対応させる観点から取得時に全額を必要経費(損金)とするのではなく、一定額ずつに分けて計上する。資産価値は年々減少するため、資産の種類によって価値を減少させ必要経費(損金)とすることを減価償却という。減価償却の仕方には、取得金額に償却率をかける定額法と、毎年の残高に償却率をかける定率法がある。

2. 法定減価償却
原則、所得税は定額法、法人税は定率法が法定償却方法となる。ただし建物や建物附属設備は定額法となる。

(計算例)
取得金額100万円、耐用年数10年の場合
(1) 定額法
・1年目 1,000,000円 × 0.1 = 100,000円
・2年目 1,000,000円 × 0,1 = 100,000円
※帳簿上0(ゼロ)になると、資産がなかったことになるため、最終的に1円残す。

(2) 定率法
・1年目
 1,000,000円 × 0,25 = 250,000円
・2年目
 1,000,000円 – 250,000円 = 750,000円
750,000円 × 0.25 = 187,500円
※定率法では、未償却部分に乗率をかけていく。定額法と同様、最終的に1円だけ残す。
※かける乗数は、耐用年数と償却方法によって異なる。
※定率法で計算を進めていくと、改定償却率や保証率といった試験では出ない項目もあるためここでは省略する。
※平成19年3月31日以前は90%をかけてから乗率をかけていたため、誤りの選択肢で90%かけたものもある。

5 給与所得

会社から受け取る給料や賞与などの所得

1. 給与所得の計算式
 収入金額 – 給与所得控除額(最低55万円)

<給与所得控除額>

給与等の収入金額給与所得控除額
162.5万円以下55万円
162.5万円超 180万円以下収入金額 × 40% – 10万円
180万円超 360万円以下収入金額 × 30% + 8万円
360万円超 660万円以下収入金額 × 20% + 44万円
660万円超 850万円以下収入金額 × 10% + 110万円
850万円超195万円

2. 課税方法
 総合課税

3. 確定申告が必要な給与所得者
・年収2,000万円超の人
・給与所得、退職所得以外の所得が20万円超ある人
・複数の会社から給与を受けている人など

4. 非課税
・通勤手当や出張旅費など
※勤務先から通常の給与に加算して支払われるべき通勤手当は、最も経済的かつ合理的と認められる運賃等の額で、月額15万円が限度となる。

6 改正情報

・令和2年分から給与所得控除額の下限が65万円から55万円になった。

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